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婦人宝の飲み方アレンジ+葛根湯の話

この記事は「人気漢方薬のご紹介「婦人宝®」」(2016年2月15日)の続きです。

前回ご紹介したとても優れものの婦人宝。
お湯割りやぬるま湯割りとして普通に飲んでもとても美味しい婦人宝ですが、たまに変わった飲み方で味を工夫するのも楽しみです。
ということで、すこしアレンジした婦人宝の飲み方をご紹介いたします。



その1:【婦人宝+葛湯】

患者さんから静岡・掛川のお土産にいただいた高級な葛湯。



20160203葛湯と婦人宝1



見るからに高級そうなパッケージです。
古くから栄養剤として親しまれてきた和製サプリメントともいうべき葛湯。



20160203葛湯と婦人宝2



葛は葛根として風邪などに使われる葛根湯で皆様もご存じだと思います。
単独の生薬としての効能は、身体の表面の熱邪を追い払う力に優れてます。
なんのこっちゃ解らないと思いますが、詳しい解説が知りたい方はこの記事の最後に詳細な解説をいたします。



20160203葛湯と婦人宝3



お湯で溶かして葛湯の出来上がりですが、この葛湯だけで味わってもとても上品で優しい味の葛湯です。
しかし漢方薬の専門家としては婦人宝とブレンドしてみたくなってしまいます。



20160203葛湯と婦人宝4



1回分の5mlを投入します!



20160203葛湯と婦人宝5



葛湯の自然な甘さと婦人宝の黒糖系の味が相まってとても優しい味になります。
婦人宝が薬っぽくて苦手と感じる方には味がよりマイルドになるのでおススメです。

婦人宝の持っている気血を増やしてめぐらす効果に、さらに葛根の表邪を追い出す力が加われば、肩首のコリや緊張性の頭痛の軽減効果が一段と高まるはずです。
(注:汗っかきの方は葛根の汗を出す作用が強く出やすいのであまりおススメしません)




その2 【婦人宝+シナモン】

香り高くいろいろな料理やお菓子に使われる「スパイスの王様」ですが、香辛料としてだけでなく、漢方薬としてもとても大事で良くつかわれる生薬のひとつです。



20160203葛湯と婦人宝6



シナモンは生薬では肉桂や桂皮(桂枝もシナモンの仲間)などと呼ばれます。
温める作用がとても強く、冷えによる様々な症状改善に使われます。
婦人宝の気血を増やしてめぐらす効果にさらに肉桂の温熱パワーを加えて気血のめぐりが良くなりますので、冷えが強い方にお勧めの飲み方です。




その3 【婦人宝+生姜】

おなじみの生姜もとても合います。

漢方薬でも生姜(←生薬ではショウキョウと呼びます)はこれまた良くつかわれる薬剤として活躍してます。
余談ですが、このような食品として美味で、薬効が高く副作用が少ない優れた薬剤は「上品」と分類されます。
生姜、葛根、シナモンはもちろんすべて上品に分類されております。



20160203葛湯と婦人宝7



生生姜を擦って入れてもいいし、生姜パウダーや市販の生姜湯などをブレンドしてもOKです。
市販の生姜湯は味が濃いもの甘さが強いもの、いろいろありますので好みの味に仕上げるには自作がおススメです。




その4 【婦人宝+お酒】


薬を酒で飲むとは何事だ!とメーカーや読者の皆様に怒られてしまいそうなので載せるかどうか迷いましたが、
わたくし藤井はこうして飲んで楽しむ時もあるのでご紹介してしまいます。



20160203葛湯と婦人宝8



婦人宝を60℃前後のお湯で割って、そこにお湯と同量の焼酎をゆっくり注いで出来上がり。
酒は気血を動かす能力に優れるので、血行が悪い方などおためしあれ。
市販の養命酒などよりも甘さが少ないです。

養命酒のWEBマガジン:薬用養命酒「元気通信」2016年2月号に藤井が書いたツボの記事があります!

私はそれほど気血が不足している体質ではありませんが、激しい運動後などの夜にたまに飲みます。



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ここから先はすこし詳しい漢方薬のお話です。興味のある方だけ読んでください。



【葛根】
葛根は涼性の生薬で軽い解熱作用があります。(葛根自体に温める作用はありません!)
上昇性、発散性の性質があり、特に体表面にたまった邪熱を汗とともに追い出す力に優れ、感冒の初期や熱性の湿疹などに使われます。
筋組織などの緊張を解く作用もあるので、緊張性頭痛、や首肩のコリに応用する場合もあります。

【生姜】
身体表面の邪気を追い出す生薬のひとつで、中医学では解表(げひょう)薬の分類。
温めて気血水を活発に動かす力に優れ、冷えによる筋肉拘縮、頭痛、鼻づまりなどに使われるほか、食あたりや冷たい飲食物による胃腸の冷えなどの症状解消、夏バテなどの胃腸ケアに有用です。

【桂枝】【肉桂】
肉桂は樹皮、桂枝は細枝。両者とも気血を温めて気血の活動性を高める代表薬です。
冷えによる筋肉の緊張、冷えによる痛み、臓器の活性低下などに使う生薬として最重要薬剤で多くの漢方製剤で活躍してます。
肉桂は温熱作用が強く、腎陽を助け、身体内部の冷えに使うことが多く、桂枝は表邪の散発の作用が強いので感冒や首肩コリなどの症状改善に使われることが多いです。
気の突発的な上昇を抑える働きもあるために、パニック発作などの不安障害に使われる漢方薬でも使われます。


これら3つの生薬が入っているのがかの有名な葛根湯です。


20160229葛根湯図解1



葛根(カッコン)、生姜(ショウキョウ)、桂枝(ケイシ)、麻黄(マオウ)、芍薬(シャクヤク)、甘草(カンゾウ)、大棗(タイソウ)で構成されています。

葛根湯は寒気が強くゾクゾクする無汗の風邪初期に使います。
肩コリ、首コリなどにも使いますが、冷えを伴い、汗が出ない場合に使うのがコツです。
せっかくなので少し中医学的に解説してみます。



20160301葛根湯作用機序2表証


上図のように身体の表面に邪気がたまっている状態(表証、もっといえば表実寒証)が葛根湯の効果が出る条件です。
体表面の浅いところに寒邪が居座り、寒邪の凝集性で腠理と筋肉が固まり、気血が流れの良くない状態です。
※腠理(そうり)とは、皮下の気血に満ちた結合組織で汗腺のコントロールや外邪の防御を行ってます。

頭痛、関節痛、悪寒、くしゃみ、鼻水、軽い咳嗽、軽い発熱が出ます。



20160301葛根湯の作用機序1



桂枝が主体になって身体の表面の外邪を追い出します。
生姜とペアを組んで、熱エネルギーによって寒邪(冷え)を駆逐し気血を動かします。
さらに麻黄、葛根で汗腺を開いて汗とともに強力に外邪を追い出します。
これらが邪気を追い出す攻め手とすると、
芍薬、大棗、甘草は気血の充実を図り、前述の攻め手を後方支援します。
というのは、外邪を追い出す場合には気を体外に放出するために気を消耗します。

これらの生薬の組合せを総合的にみると、
(1)風邪の引き始め、(2)汗が出てない、(3)冷えが強いゾクゾクする風邪、(4)首肩のこわばり
などが葛根湯の適応症であることが少し理解できるでしょうか??
適応さえ合えば、首肩の凝り、花粉症やじんま疹などにも応用できます。


葛根湯の服用の際は空腹時に温かいお湯で飲むこと!
温まって、汗がじんわり出てくると効果大です。
当店では1日分240円+税で葛根湯をお出しします。
首コリ肩コリなどのコリ専用の葛根湯もありますので、興味のある方は当院までご相談ください!


余談として葛根湯の解説を書いたのですが、無駄に内容が濃くなってしまいました(笑)

記事&写真・図:藤井直樹

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